Who Needs M&A?企業買収・合併(M&A)を必要とするのはどのような企業か?
中小企業又は伝統産業の経営者が、従来のビジネスモデルでは高い競争力を生み出せなくなり、または現在の経営上の苦境を突破できないといった状況に直面している場合、積極的に M&A を活用することで、資金調達、人材誘致、新技術の獲得、コスト削減、市場拡大などを実現し、コーポレート・トランスフォーメーション、グレードアップ又は海外移転を加速させ、現在抱える困難な状況を解決するチャンスが得られます。
大企業の経営者の場合、国際競争力を高めるため又は市場のリーダー的地位を確立するために、既存の事業領域の拡大、組織構造の再編、製品及び業務範囲の調整が必要となる可能性があります。M & Aを通してグローバルな事業展開を進めることによって、生産能力の向上、販路の獲得、市場占有率の増加などの手段をもって、会社を更に強大にして利益成長を実現させることができます。
M & A を円滑に進行させるために、様々な M & A スキームを熟知し、業界の発展に精通している必要があり、これにより初めて将来を見据えた戦略と計画を策定できます。また、実際にM&Aを行う際には、直接 M & A に関与する企業だけではなく、一般的には株主、従業員、潜在的な投資家、証券取引、税務、企業会計、市場秩序といった多方面にも影響を及ぼします。
これに対し、当事務所は、英語、日本語、中国語、台湾語などの言語により、M & A 戦略の立案、シナジー(Synergy)分析、M&Aまたは全体計画の策定、法務デューデリジェンス(Due Diligence)および報告書の作成、政府への届出、秘密保持契約書(NDA) 、意向書(Letter of Intent)、株式売買契約書(Share Purchase Agreement)等の文書 の作成・交渉支援、並びに投資、証券、労働、公正取引法など企業M&Aに関連するあらゆる法律相談サービスを提供しています。
企業M&Aとは
M&Aは「Mergers and Acquisitions」の略称です。合併(Mergers)とは、A社とB社が統合して一つの会社になることをいい、統合後の会社は、A社かB社のどちらか、あるいは新たに設立されるC社となります。これに対し買収(Acquisitions)とは、買収に関与する当事者の売買対象(目的物)が何かによって、主に次の三つの手法に分類されます。
- 株式:株式買収
- 特定の事業(業務):営業買収(事業譲渡)
- 特定の資産:資産買収
このほか、「会社分割」及び「株式交換」といった一般的M&Aの類型は、ある側面から見れば、買収(Acquisitions)の変形型と捉えることができます。
「会社分割」は、組織再編又はスリム化の手段として用いられ、会社から切り離したした事業又は部門は、新設会社により運営されることもあれば、買収意欲のある会社により買収されることもあります。この場合、買い手側の視点から見れば、事業買収に属する可能性があります。
「株式交換」は、一般的に会社同士がお互いの株式を交換して、親子会社関係を形成するためによく用いられます。この枠組みにおいては、株式買収に相当しますが、対価として支払うのは株式であり、現金による支払いを行いません。
「公開買付け(Take Over Bid)」」については、一般の証券口座を通じた株式売買とは異なる取引方法です。公開買付けを行なおうとする企業が、法定手続き(台湾では証券取引法及び関連法令に基づく)に従い、買付け予定の株式数、期間、価格などを含む公開買付け計画を公表し、同一の条件により、対象会社の一般かつ不特定の株主から株式を買い付け、対象会社の経営支配権を取得するものです。
上述の一般的なM&Aの類型(合併、買収、会社分割及び株式交換を含む)は、台湾においては、原則として「企業併購法」に定められています。企業M&A法に規定がない場合は、会社法、証券取引法、公正取引法、労働基準法、外国人投資条例、税法、商業会計法等の法令を相互に適用しなければなりません。
最新の改正法の動向
企業M&A 法(以下本法)は2002年の制定公布時、M&Aにおける障壁を取り除き、企業がM&Aにより、組織再編を図り、経営効率を向上させることを立法目的として掲げていました。その後の数度の改正と2018年司法院大法官釋字第770号解釈理由書に示された「本法は国民の財産権を保障すべきある」という趣旨を踏まえ、本法は一層株主権益の保障を重視するようになりました。2022年の最新の法改正では、「企業M&Aの奨励」と「株主権益の保障」という二つの大前提のもとに、主に「株主権益の保障」、「非対称性M&Aの適用範囲の緩和」及び「弾力的租税措置の拡大」について見直しと改正が進められました。
「株主権益の保障」
- 第5条 (第4項新設):
改正前条文では、董事による重要な情報の開示時期や方式について規定がありませんでしたが、新法では、会社は「株主総会の招集事由」にその旨を明記することを定め、株主が株主総会開催の一定期間前に適時に情報を入手できるように規定しています。 - 第12条(第1項各号の文字の修正、第2項の新設など):
新法では、株主総会の開催前又は開催中に異議を示し「かつ反対票を投じた」株主も、株式買収請求権を行使できる範囲に含まれるよう改正されました。これにより、異議を示す株主は議決権を放棄せざるを得なくなり、結果として交渉力が不足し、会社が不合理な価格で株式を買い取るような状況を回避します。
「非対称性M&Aの適用範囲の緩和」
- 第18条(第7項改正)、第29条(第6項など改正)、第36条(第1項、第2項など改正):
非対称性M&A(whale-minnow merger)とは、規模の大きな企業が規模の小さな企業に対してM&Aを行う場合において、董事会の決議などを通じて、法定の簡略化された手続きでM&Aを完了できることをいいます。新法では、非対称性M&Aが適用される条件を大幅に緩和しています(本法第18条の合併、第29条の株式交換及び第36条の会社分割)。
「弾力的課税措置の拡大」
- 第40条、第40-1条(本条新設):
「のれん」及び「無形資産」の商業的価値については、これまでは定義又は明確な基準がなかったために認定が困難であり、税務上及び会計処理において多くの争いが発生していました。このため新法では、無形資産の種類を定義するだけでなく、税務機関に対してより弾力的な裁量権限を与えることについて明文化しています。 - 第44-1条(本条新設)
株主がM&Aによって受け取る株式配当が出資額を超過する場合、所得税法の規定に基づいてその配当所得に対して所得税が課税されます。新設条文では、スタートアップ企業のM&A意欲を促進するため配当所得を当該年度の所得額へ算入せず、全額を取得した年の翌年度から起算して3年目から、3年間で均等に分割して課税を繰り延べることができると規定しています。
このコラムでは、2022年改正法の主な動向を簡略に紹介しました。各改正条文の具体的な規定及び実務上の解釈については、2022年改正企業M&A法の概要(当事務所の黄偉峯顧問が執筆した最新版書籍「M&A企業併購法第三版」からの抜粋)をご参照ください。また、近日出版予定の「M&A企業併購法第三版」も、どうぞご期待ください。
M&Aに関連するご質問がございましたら、お気軽に当事務所までご連絡ください。


